2013年3月26日火曜日

米中ロは大国関係の「新三角形」を構築:「中国のひとり芝居」

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サーチナニュース 2013/03/25(月) 14:11
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0325&f=politics_0325_009.shtml

米中ロは大国関係の「新三角形」を構築=中国報道

  中国とロシアの共同声明調印は、中ロ関係が新たな段階に高まったことを示す。
 中国網日本語版(チャイナネット)は25日、
 「両国関係の高まりは双方の主観的な願望であるだけでなく、客観的には米国の外交政策における判断ミスがもたらしたものだ」
と報じた。以下は同記事より。

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  米国と西側諸国が債務危機に陥り、中ロが台頭、回復するなかでも、米国は調整を行わず、そればかりか東西2方面で中ロそれぞれの戦略スペースを縮小させる動きを強めた。

  西では、米国と北大西洋条約機構(NATO)はロシアの戦略スペースを縮小させ、東では日米などの国がアジア太平洋地域で中ロのスペース拡張を抑えている。
 ともに戦略的苦境に追い込まれた中ロは迅速に接近せざるを得ない。

  米国の中ロに対する「包囲・封鎖」は、逆に米国の「独占状態」を徐々に崩し、新構造を形成している。
 米国とその同盟国は自身の「傲慢さ」と「偏見」の代償を払うことになるだろう。
 1970年代以降に続き、世界には米中ロによる新「三国関係」が再び現れ、米中ロ3国が互いにけん制し、相対的に安定した新構造ができるとみられる。

  冷戦時を振り返ると、米国、中国、ソ連の間には「大三角形」の関係があり、中国は常に世界の戦略力の均衡を維持するため、弱者が強者に対抗するというバランスの調整役を担ってきた。

  ところが現在の新「三国関係」の状況は大きく異なり、米ロの対抗は世界的なものでなく、多くの大国の矛盾の1つに過ぎない。
 中国が一方から別の一方への対抗に加わりたくても、それが2者から1者への対抗という状況を形成するとは限らない。

  重要な点は、中国の「三国関係」における役目が大きく変化したことである。
 中国は実力を強め、総合国力、国民総生産(GNP)、外貨準備、貿易の規模などの指標にしても、国際イメージや国際影響力などの要因にしてもロシアを上回っている。
 中国の行動は世界構造の動きに大きく影響し、その戦略的役割も「バランスの調整役」から「構築役」に変わるべきである。

  中国にとって、中ロ関係の引き上げは米国のアジア太平洋リバランスへの対応であり、中ロ関係の適切な対処は米中関係の健全な発展を促す。
 中ロは本当の意味での新しい形の大国関係を構築し、利益の共存を高め、さらに包括的な協力関係を形成する必要がある。

  要するに、米中ロの「新三角形」の確立は世界構造の多極化の成果であり、新しい情勢下における大国関係の表れでもある。
 米ロの協力強化は欧州を安定させると同時に、世界の核軍縮の本格的実施も促すことができる。
 米中の全面的、建設的な協力関係の拡張はアジア太平洋の平和的発展を促進し、世界経済や環境、気候などの世界的な問題の解決にも繋がる。

  米中ロの「新三角形」が健全な発展を遂げれば、大国関係の新構造を切り開くばかりでなく、今後の国際体制の重要な基盤を固めることもできると言える。
 平和と発展の時代は今日の米中ロによる「新三角形」を作り出し、このような形の大国関係はさらに建設的に世界を変えるだろう。


 机上の空論だが、そうなったらいいなという中国のおもいいれの言葉遊びである。
 「中ロ」という関係を強調したい中国だが、ロシアとしては
 「そう思うなら勝手にそう思ってもいいよ」
 といったところであろう。
 百戦錬磨のロシアは決して本音を述べることはないし、大風呂敷を広げることもない。
 中国は不安なのでああでもない、こうでもないといって自らの心をなぐさめようとする。
 アメリカはすきなように解釈しなさいと、斜に構えて見ているだけ。
 「中国のひとり芝居」といったところだろうか。


  中ロ友好をうたった作文。

レコードチャイナ 配信日時:2013年3月27日 9時40分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=70673&type=0

ゼロサムと争い、中国は国家間の古い枠組みを打破する―中国国際問題専門家

 2013年3月25日、人民日報海外版コラム・望海楼は、同紙の特約論説員で国際問題専門家の慕永鵬(ムー・ヨンポン)氏が中国の国際協力に関して書いた文章を掲載した。

 中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は今月23日、モスクワ国際関係大学で講演
 「時代の前進の潮流に順応して世界の平和と発展を促進」
を行った。
 習主席は講演で
 「人類はすでに1つの『地球村』に住んでいる。
 同じ1つの船の上で、どんどん互いを包含し合う運命共同体となっている。
 国際情勢の巨大な変化と世界は同じ舟という現実を前に、中国は協力共栄を柱とする新しいタイプの国際関係を確立し、国と国が心を合わせて協力し、調和ある付き合いをし、共に発展することを主張する」
と指摘した。

 第18回党大会後、中国の新しい政府の最高指導者が初めて国際的な場で中国の外交政策・主張を集中的に明らかにした。
 習主席が打ち出した協力共栄を柱とする新しいタイプの国際関係の確立は、世界の相互依存という発展の大勢、協力共栄という時代の潮流、国際関係の民主化という歴史的プロセスに沿ったものであり、世界の平和・発展・協力・共栄の推進に尽力するという中国政府の積極的で責任ある大国のイメージを示した。

 西側諸国は長年来「勝つか負けるか」の「ゼロサム」思考を固守し、新興勢力の台頭に対して抵抗さらには恐れさえ覚え、彼らのゲームのルールを改変し、彼らの「パイ」を奪うものとして新興国を見てきた。 
 だがグローバル化と情報化の踏み込んだ発展に伴い、こうした考えは現実の中でどんどん通用しなくなっている。

 現代世界では各国の利益の融合が日増しに深化している。
 世界金融危機以降の情勢の推移は、協力共栄がグローバルな重大な危機や試練に対処するために必須であることをはっきりと示している。
 協力共栄を柱とする新しいタイプの国際関係を確立し、国際社会の公平と正義を実現し、一部の国が一方的に利益の最大化を図ることを防いでのみ、各国の利益を根本的にしっかりと守り、世界の平和・安定・発展を確保することができるのだ。

 中国は協力共栄の新しいタイプの国際関係の確立を促すために積極的な貢献をしてきた。
 新中国成立後、特に改革開放以降、中国は外の世界と様々な形式の、成果に富む協力を繰り広げてきた。
 中国は協力共栄の精神に基づき、世界と地域の問題に積極的に参与し、対外友好協力を全方位的に推進し、世界との相互依存と利益の融合を日増しに深め、自らの発展のために良好な外部環境を築くとともに、世界の繁栄と安定にも重要な貢献を果たした。
 2001~2011年の間、中国は年平均7500億ドル(約70兆円)の商品を輸入した。
 これは関係国・地域に1400万人余りの雇用を創出したに等しい。
 世界金融危機発生後、中国は自らの安定と発展を確保すると同時に、国際協力に積極的に参与して危機に対処し、世界経済の安定と再生に重要な貢献を果たした。

 習主席が初の訪問先にロシアを選択し、重要な講演を行ったことは決して偶然ではない。
 中露包括的・戦略的協力パートナーシップは踏み込んだ発展を続け、すでに新しいタイプの国際関係の確立を推進するうえでの模範となっている。
 中露は互いに最も主要かつ重要な戦略的協力パートナーだ。
 両国の政治関係は日に日に堅固になり、実務協力は日増しに深化し、人的往来は日増しに緊密化している。
 双方は核心的利益に関わる問題で互いに支持し、国際舞台で緊密に協力し、国際関係の民主化プロセスを共同で推進し、世界の平和・安全・安定を守ってきた。
 習主席の今回の訪問は中露関係に新たな力強い原動力を注ぐとともに、新しいタイプの国際関係の構築の持つ重大な意義をさらにはっきりと示した。

 現在の世界は貴重な発展のチャンスを包含すると同時に、様々な困難や試練にも直面している。
 各国はこれまでのどの時期にも増して協力共栄の帆を高く上げて、人類の共同発展の船を牽引することを必要としており、その条件も備えている。
 中国は世界各国と共に、協力共栄の新しいタイプの国際関係の構築を促し、平和が永続し、共に繁栄する、調和の取れた世界を構築して、人々が平等と尊厳を享受し、各国が発展の成果を共に享受し、平和・発展・繁栄という人類の美しい夢が1日も早く実現するようにしたいと考えている。
(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/内山)





【中国はどこへむかうのか】


 
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