2013年4月13日土曜日

北朝鮮をコントロールできなくなった中国(3):最大の影響力を発揮できるのは米国




●11日、ジェームズ・クラッパー米国家情報長官は、中国は北朝鮮の過激な言論に不満を抱きつつも、北朝鮮の政権崩壊は見たくないというジレンマに陥っていると述べた。


レコードチャイナ 配信日時:2013年4月13日 18時19分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=71299&type=0

米国家情報長官「中国は北朝鮮の挑発でジレンマに」―英メディア

 2013年4月11日、英BBC中国語サイトによると、ジェームズ・クラッパー米国家情報長官は、
 「中国は北朝鮮の過激な言論に不満を抱きつつも、
 北朝鮮の政権崩壊は見たくないというジレンマに陥っている」との見方を示した。

クラッパー長官は11日の米下院議会情報委員会において、
 「北朝鮮の若き指導者、金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が米国に核攻撃を発動すると威嚇しているのは、中国の指導者の忍耐力を探っている」
 「米国が得ている情報によれば、中国の新しい指導部は金正恩氏の行動と好戦的な発言に不満を抱いている」
と述べた。

 また、
 「金正恩氏は彼の父親と違って、中国の北朝鮮への不満を低く見ている」
とし、
 「父親の金正日(キム・ジョンイル)氏の特徴として、挑発的な行動を取った後に退くことが多かったが、金正恩氏にこうした点は見られない」
と指摘した。

 同長官は、米国及び同盟国に対する金正恩氏の一連の挑発的な言動については、勝負を決するつもりはなく、自身の権力を固め、国際舞台における北朝鮮の核保有国としての地位を米国に認めさせることが狙いだとしている。

 また、
 「中国は外部から北朝鮮に影響を与えることのできる唯一の力
として、中国が北朝鮮の輸入相手国の65%を占める点を挙げ、
 「中国が影響力を行使しようとすれば必ず効果があるはず
と述べた。
 しかしその一方で、
 「中国にとって北朝鮮は重要な緩衝国であり、中国の指導者も北朝鮮の政権崩壊につながる可能性のある措置は望まないだろう」
と指摘した。



レコードチャイナ 配信日時:2013年4月15日 9時20分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=71333&type=0

北朝鮮は中国のかわいい「問題児」、上層部の交流も盛ん―米紙

 2013年4月10日、米紙ロサンゼルス・タイムズは
 「北朝鮮、中国の問題児」
と題した記事を掲載した。以下はその要約。

 中国は世界で唯一の北朝鮮の盟友だといえよう。
 しかし、中国と北朝鮮の間には多くの矛盾が存在する。
 最近では北京の党中央学校の機関誌編集者が
 「中国当局は北朝鮮との同盟を放棄すべきだ」
との主張を発表したところ、48時間以内に解雇された。

 北京外国語大学メディア系のある教授は
 「北朝鮮はとても敏感なテーマだ。
 かつては北朝鮮に対する反対的な意見を発表することは不可能だった。
 だが、最近では北朝鮮に関するタブーが無くなりつつある。
 北朝鮮への支持も減った。
 さんざん面倒をかけてくる国を兄弟と呼び続けることは難しい」
と話す。
 ハーバード大学ベルファー科学・国際関係研究センターの研究員は
 「中国の北朝鮮への態度は、悪ぶっているかわいい子供に接しているかのようだ」
と指摘する。

 朝鮮戦争から現在まで、中国大陸の指導者は何人も替わったが、北京と平壌の関係は常に密接だった。
 今の李克強(リー・カーチアン)首相や張徳江(ジャン・ダージアン)全国人民代表大会常務委員議長も、北朝鮮と一定の関係を保っている。
 中国共産党の北朝鮮労働党との直接的な接触は、劉洪才(リウ・ホンツァイ)駐北朝鮮中国大使が北朝鮮高官の活動の場に頻繁に姿を現していることからも見てとれる。

 政府と党の組織構成上、北朝鮮は中国の子供のようなものだ。
 だが、一部の中国人は北朝鮮の純粋な共産主義を羨望の眼差しで見ている。
 英クイーンズ大学のアジア専門家、アダム・カスカート氏も
 「北朝鮮の純粋さと比較して、中国の共産主義は緩くなるばかりだと考えている人々もいる
と指摘している。




サーチナニュース 2013/04/15(月) 17:26
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0415&f=national_0415_064.shtml

【中国ブログ】わが国の国民意識、北朝鮮問題で「錯乱」

  雑誌編集者やコラムニストとして活躍しているという張界さんは11日、
 「中国の国民意識は朝鮮(北朝鮮)問題で錯乱している」
と題するブログを発表した。
  北朝鮮を侮辱することに多くの中国人が快感を覚えていることは「愚か者の快感」と主張した。
  ただし、張界さんの主張そのものが、実際には北朝鮮を批判する「大いなる皮肉」であるようだ。

  まず、中国人は現在でも、伝統的な信仰を持つ人が多いと指摘。
 「玉皇大帝」、「太上老君」など崇拝の対象は多い。
 しかし、北朝鮮人民が
 「金正恩(キム・ジョンウン)を信仰すると、中国人は笑う。
 この態度は病気では」
と論じた。
 さらに、北朝鮮については、西側諸国も尊重する信仰の自由を認めないのかと記した。

  また、北朝鮮を「封建専制社会」と主張する中国人がいることについて、ブラジル政府はアマゾン川周囲の密林に住む先住民の生活を保護していると指摘。
 「原始社会制度でも帝國主義でも、どのような社会制度であっても、外部の人間が差別視する権利はない」
と論じた。

  さらに、「北朝鮮は中国に面倒をもたらしている」との主張に対しては、
 「北朝鮮が親米国家になったら」
と問題提起。
 その方が、中国に対して大きな面倒をもたらすと主張した。
 ただし、北朝鮮の人民の生活は「現在よりはるかに良くなる」とも指摘した。

  最後に「北朝鮮は中国のおかげで飯を食べられる」との主張に対しても「錯乱している」と反論。
★.「食べ物が重要なのか? 主義主張の原則が大切なのか?」、
★.「精神生活と物質生活のどちらが大切なのか」
と問いかけ、
 「朝鮮ははっきり分かっている。中国人には分っていない」
と主張。
 宗教における修行者の例を挙げ、苦行による悦楽を、中国人は理解していないと論じた。

  文章は最後の部分で、中国人男性は恋人に軽々しく
 「君のためなら、刀の山も登るし、火の海にも潜る」
と言うと論じた上で、
 「朝鮮人民が自らの指導者に同じように言うと、中国人はあざ笑う」
と指摘。
 「さて、どちらが愚かなんだろう」
と締めくくった。

**********

  同文章の最初の部分を読むと、北朝鮮を支持し、北朝鮮を「異常な国」と考える中国人が増えていることを批判しているようにみえる。
 しかし、読み進むと、どうも様子がおかしい。

  例えば、北朝鮮国民が、国家指導者を「宗教的に崇拝している」との指摘だ。
 中国で比較できるとすれば、毛沢東主席だろう。
 多くの中国人は現在も、毛沢東主席を「新中国を築いた偉人」と考えている。
 しかし、文化大革命期などにピークになった個人崇拝は「異常だった」と認識している。

  北朝鮮の指導者が「個人崇拝」の対象になっていることは、中国人にとって違和感がある。
 同国を好意的にみる人も「やむをえない国情かもしれない」といった認識で、積極的に支持しているわけではない。

  さらに、毛沢東主席長男の毛岸英が朝鮮戦争で戦死したことは、中国人にとって美談として語り継がれている。
 「わが子といえども、差別なく最前線に送り出した」
ということだ。
 逆に、北朝鮮が3代にわたって親から子へと権力を譲ったことは、中国人にとって「社会主義国にあるまじき、権力の私物化」だ。

  上記ブログでひとつだけ「北朝鮮を非難できるのか」との書き方に現実味があるのは、
 「北朝鮮が親米国家になったら」
の場合だろう。
 当然、西側主動の朝鮮半島統一のシナリオだ。その場合には、在韓米軍が中朝国境まで進出してくると考えねばならない。

  中国が北朝鮮を支援しつづけてきたのは、
 「北朝鮮が消滅した際の軍事・政治のシナリオは、中国にとって受け入れられない」
ことが最大の理由と考えてよい。
 逆に北朝鮮は
 「中国にとって自分たちは絶対に必要な国・政権」
と見越して振舞っていると言うことができる。

  なお、北朝鮮人が「精神生活を重視している」と論じた部分は、“返す刀”で中国人の「物質主義、拝金主義」を批判しているとも読める。




レコードチャイナ 配信日時:2013年4月16日 8時0分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=71350&type=0

北朝鮮問題の解決、最大の影響力を持つのは中国ではなく米国―香港紙


●14日、香港紙は朝鮮半島の恒久的な平和のために北朝鮮に対して最も影響力を発揮できるのは中国ではなく米国であると論じた。資料写真。

 2013年4月14日、香港の英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは社説で、朝鮮半島の恒久的な平和のために北朝鮮に対して最も影響力を発揮できるのは中国ではなく、米国であると論じた。
 米華字メディア・多維新聞が伝えた。

 朝鮮戦争が終了してから、北朝鮮は一貫して危機を演出してきた。
 新しい指導者・金正恩(キム・ジョンウン)第1書記が権力を手にした時、東北アジア諸国は北朝鮮の挑発と要求の連鎖が終わることを希望した。
 しかし、祖父や父を凌ぐ挑発行為がすでに行われている。

 一般的には、金正恩第1書記に言うことを聞かせる能力があるのは、中国を置いて他にはないと認識されている。
 その理由は、北朝鮮の石油や80%の日常品、45%の食品が中国からの供給であると推測されているからである。
 中国がこれらの供給を止めれば、北朝鮮に対して最大の圧力を与えることができる。

 一方で、中国は最近、北朝鮮に対する国連の制裁決議に賛同するとともに、朝鮮半島の非核化を進める努力をし、平和を望むと表明した。
 しかし、北朝鮮に対し、これまでどおりの方針を堅持するのか、あるいは強行策に転換するのか、目標をいかにして実現するのかについては中国国内でも認識が一致していない。

 中国が他の国と比べ、北朝鮮との関係が密接であることは明らかだ。
 しかし、これは中国が北朝鮮をコントロールできることを意味しているわけではない。
 中国は北朝鮮に対し、これまでにも核実験を中止するよう求めてきたが、北朝鮮は公然と拒否してきた。
 中国はすでに北朝鮮をコントロールする能力を失っているのである。
 かといって、エネルギーや食糧の供給を断ち切れば、北朝鮮は崩壊し、多くの難民を発生させ、深刻な経済的危機を招くことになる可能性がある。

 こうした状況の中、中国は13日、ケリー米国務長官を招き、北京で習近平(シー・ジンピン)国家主席をはじめとする指導部が会談するなど、自主的な行動をすでに取っている。
 しかし、中国は北朝鮮問題に対する解決方法を見つける手助けはできるが、それだけにすぎない。
 朝鮮半島に恒久的な平和をもたらすために、
 最大の影響力を発揮できるのは
 米国であり、中国ではない。



レコードチャイナ 配信日時:2013年4月16日 6時10分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=71372&type=0

<尖閣問題>
ケリー米国務長官、中国をけん制「日本の施政下に」―米メディア

 2013年4月15日、AP通信によると、ケリー米国務長官はこのほど、尖閣諸島(中国名・釣魚島)の領有権問題について、
 「日本の施政下にあると認識しており、現状を変えようとする一方的な行動に対して米国は反対する」
と述べ、日本の領海に侵入を繰り返す中国をけん制した。新華網が伝えた。

北朝鮮の核開発問題で、日米両国は弾道ミサイル発射の危機が高まる今、新たな対話が必要だと表明。
しかし、北朝鮮がこれまでの合意に基づき、緊張緩和へ向けた対策をとるべきだとした。
 ケリー長官はまた記者団に対し、北朝鮮が対策に取り組み、方針を維持することで、米国との協調の道も開けると説明した。




レコードチャイナ 配信日時:2013年4月18日 12時11分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=71458&type=0

冷え込みがあらわになった中朝関係
=中国依存軽減を狙う金正恩―米紙

 2013年4月16日、ニューヨーク・タイムズは記事
 「明らかになった中朝関係の疎遠」
を掲載した。

 昨年11月、中国の李建国(リー・ジエングオ)中央政治局委員が北朝鮮を訪問。
 携えた習近平(シー・ジンピン)総書記の書簡は極めてシンプルな内容。
 「弾道ミサイルを発射するな」というものだった。
 しかしその12日後、北朝鮮は発射を強行する。

 親密さで知られる中朝関係だが、金正恩第一書記が立て続けに習総書記に抗う姿勢を見せてからというもの、その関係は暗礁に乗り上げている。
 中朝関係がどこまで冷え込んでいるのか。
 この問題は中国メディアでも議論されたことがあるが、深刻なものとはとらえられていない。
 しかし中国政府内部では金書記をどう扱うか、激烈な議論が繰り広げられているようだ。

 2月の核実験後、中朝関係は緊張した。
 中国は高官を派遣しようとしたが、金書記は拒否した。
 この態度によって金書記は父親の時代よりも中国への依存を減らそうとしていることが中国にはよく伝わった。

 両国関係の冷え込みは明らかだが、中国メディアはそれでも金書記に敬意を払っている。
 少なくともブッシュ前米大統領を“小ブッシュ”と呼んだような非礼はない。
 だが中国のインターネットには金書記をばかにするような小話や図像があふれている。
 中国は不都合なネットの書き込みは削除しているが、金書記をばかにする書き込みは容認されているようだ。

 また、敬意を払っているとはいえ、中国官制メディアも手厳しく北朝鮮を批判している。
 環球時報は中国の我慢にも限度がある、もし中国の利益を深刻に損なうならば容赦はしないとの社説を掲載した。
 人民日報電子版も北朝鮮の国連安保理決議違反を責め、「情勢を見誤ることなかれ」と警告した。






【中国はどこへむかうのか】


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