2013年4月10日水曜日

周辺外交中国三連敗:日台漁業交渉が合意 尖閣周辺は共同管理

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朝日新聞 2013年4月10日7時32分
http://www.asahi.com/politics/update/0410/TKY201304090476.html

日台漁業交渉が合意 尖閣周辺は共同管理、中国牽制

 日本と台湾が、沖縄県の尖閣諸島周辺での漁業協定締結交渉で大筋合意した。
 10日にも発表する。
 日本は尖閣周辺で台湾漁船の操業を認めるが、領海への立ち入りまでは認めない。
 日本には今回の合意で、尖閣の領有権に異論を唱えるために台湾と連携を図る中国を牽制(けんせい)する狙いもある。

 台湾は、尖閣の領有権と周辺での漁業権を主張している。
 ただ、日中の中間線より東側は尖閣周辺を含め日本の排他的経済水域にあたるため、どう折り合いをつけるかが焦点だった。

 今回の合意で、日本は尖閣諸島から12カイリの領海に台湾漁船が入ることは認めないが、その外で操業を認める。
 双方の漁船数などを調整するため日台で共同管理委員会を作る方向だ。


 台湾が明らかに中国との間を作りはじめた。
 中国の威光威信が少しづついろいろなところから崩れつつある。
 最近の中国の周辺外交はあまりにも勝手すぎる部分が大きいためであろう。
 「周りを立てて、自分は引く」ぐらいの度量がないとナンバー2は務まらない。
 尖閣問題、北朝鮮問題、そして台湾とこのところ中国の取りこぼしが目立っている。
 どこかで大きな巻き返しを計らないならないだろう。
 このままズルズルいくと、本当に中国に威信は地に落ちてしまう。
 これからの中国の出方が注目される。


朝鮮日報 記事入力 : 2013/04/11 08:27
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/04/11/2013041100504.html

尖閣:日台が漁業協定に合意、共同水域設定
尖閣問題で中台共闘を呼び掛ける中国をけん制
中国は不快感

 日本と台湾は10日、尖閣諸島(中国名:釣魚島)周辺の漁業権をめぐる協定に合意した。
 日本が事実上領有権を認めてもらう一方、台湾は漁業権を得た格好だ。

 日本と台湾の代表は同日、台北で漁業協議を行い、尖閣諸島周辺に日本と台湾の共同水域を設定し、台湾漁船の操業を認める内容の漁業協定書に調印した。
 だが台湾漁船は、日本が領有権を主張する尖閣諸島から12カイリまでの水域には入れない。
 日本と台湾は、表面的には漁業権と領有権の問題は別という立場だが、事実上は日本が台湾に尖閣諸島の領有権を認めてもらったようなものだ、と日本メディアは伝えた。

 一方の台湾は、尖閣諸島周辺の漁場での漁業権という実益を得た格好だ。

 毎日新聞は
 「中国が日本に対抗し、日本に対する共闘を台湾側に呼び掛けているため、これをけん制するために日本政府が漁業権について大きく譲歩した」
と報じた。
 日本政府は中台連携を阻止するために漁業協定の締結を急いだわけだ。
 日本の対中けん制戦略が実を結んだといえる。

 日本と台湾は、尖閣諸島周辺でそれぞれの主張する排他的経済水域(EEZ)が重複し、漁業権をめぐって対立してきた。
 日台は1996年から漁業交渉を重ねてきたが、双方の主張が平行線をたどり、2009年から協議が中断していた。

 日本が昨年8月に尖閣諸島を国有化すると、台湾も尖閣諸島の領有権を主張し、警備艇や漁船を尖閣諸島周辺に送り込んで海上デモを繰り広げた。

 中国は日台の漁業協定合意について、不快感を示している。
 中国外務省の洪磊副報道局長は同日の定例記者会見で 
 「関連交渉を注視している。
 日本は『一つの中国』という原則を支持するという従来の立場に基づいて、台湾問題を慎重に取り扱ってほしい」
と要求した。
 日本の動きを、中台の共闘を分断しようとするものと捉え、警戒しているわけだ。

 台湾問題を管轄する中国国務院台湾事務弁公室の范麗青報道官も
 「釣魚島とその周辺の島々は中国固有の領土という基本に基づき、この伝統的な漁場の漁業権益を守るのが中国と台湾の共同責任」
と述べた。
 漁業分野での実益のために尖閣諸島の領有権で譲歩してはならない、という警戒を込めた発言とみられる。



レコードチャイナ 配信日時:2013年4月11日 18時14分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=71243&type=0

日台漁業協定締結、
反感の対象は自国の体制や対応にも―中国版ツイッター

 2013年4月10日、台北市で第17回日台民間漁業協議が開かれ、尖閣諸島周辺海域の漁業権をめぐる取り決め協定に調印した。

 日本の排他的経済水域(EEZ)の一部で台湾漁船の操業が認められることになる。
 しかし、日台がそれぞれ主張している尖閣領有権については、今回の協議では棚上げ措置となった。
 中国が台湾に対して盛んに持ちかけている連携・共闘関係を阻止するかわりに、漁業権で台湾に譲歩したかたちだ。

 台湾・聯合晩報によると、台湾農業委員会は
 「17年間に及ぶ日台間の漁業協議において、今回の成果は最大の収穫である」
との認識を示している。
 一方、中国外交部の洪磊(ホン・レイ)報道官は、
 「日台漁業協議については高い関心を払っている。
 日本側には“一つの中国”の原則に基づき、台湾問題について慎重に対応するよう求める」
としている。

 これについて、“中国版ツイッター”と呼ばれる簡易投稿サイトには、反感を抱く意見が相次いで投稿された。
 しかし、その反感の対象は日本や台湾とは限らず、自国の体制や対応に不満を示す意見も少なくなかった。
 以下はその一部。

●.「馬英九(台湾総統)は国辱もの、ろくでなしだ!」
●.「日本のやり方は陰険だぞ」

●.「『慎重に対応するように求める』ってさ…求めるだけではどうにもならないのだよ」
●.「戦争もしかけられない、かといって口で説得もできない。
 抗議する以外に能がない」
●.「こういうニュースはもう見たくないんだよ。
 弱腰中国のニュースはさ」

●.「まさに内憂外患」
●.「中国統一が果たせていないからこういう目に遭うんだ」
●.「台湾すら統治できずに、日本をどうこうしようだなんて、明らかに間違ってるだろう」
●.「汚職と賄賂まみれのリーダーたちよ、いつになったら14億の同胞(=中国人と台湾人)を同じ船に乗せられるのだ?」
●.「主権を奪われ、国の恥となるような事件がこの現代にまだあるなんて、嘆かわしい!
 いつになったら中国人は、東西ドイツのように見えないベルリンの壁を倒せるのだ!」

●.「いろいろなものごとは、まず真に理解してから議論しようよ」


 日本は中国をいたぶっている
 尖閣でやられたお返しといったところであろう。
 どっちもどっちである。
 大きな問題はこのことで国内にどれだけの不満が鬱積するかということである。
 尖閣では中国が社会不満をガス抜きさせたが、今度はまたまた高圧ガスを中国社会に注入することになった。
 やったらやり返す、かな。
 中国は周辺諸国は何もできないとタカをくくっているようだが、度がすぎると反発を食らうことになる。
 この漁業交渉など結末を出さなくてもいいものだが、中国の行為に怒った日本政府が決めてしまった。
 中国のやり方は周辺を敵に回すしか能がないような動きをする。



サーチナニュース  2013/04/11(木) 19:06
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0411&f=politics_0411_011.shtml&pt=large

国務院台湾事務弁公室:漁業権防衛は中台双方の責任



  国務院台湾事務弁公室の範麗青報道官は10日、北京で行った記者会見で、
★.釣魚島(尖閣諸島の中国側呼称)は中国固有の領土であり、
領土主権の維持を基本として
★.、(中台)両岸古来の漁場での漁業権を守っていくことは両岸双方の責任である
と述べた。




朝鮮日報 記事入力 : 2013/04/13 08:20
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/04/13/2013041300343.html

尖閣:日本と手を結んだ台湾、中国船追放の立場表明
両岸協調崩壊の危機

 今月10日に日本と17年ぶりに漁業協定を締結し、尖閣諸島(中国名:釣魚島)周辺海域での漁業権を獲得した台湾が、この協定で設定された日台共同水域に侵入する中国船は追放する、という公式の立場を表明した。

 これに対して中国は
 「中華民族全体の利益を損い、両岸間の信頼を破壊する行為だ」
と反発し、尖閣諸島の領有権をめぐる日中間の対立が中台間の対立にも飛び火している。

 12日付の香港紙サウスチャイナ・モーニングポストは、日台漁業協定締結直後の記者会見で台湾の王進旺・海岸巡坊署署長が、記者から
 「両国が合意した共同水域に中国の海洋監視船や漁船が出現したらどうするのか」
という質問を受けたのに対し
 「法の規定に従い、当該海域を離れるよう勧告したり、追放したりする」
と語ったと報じた。
 また蔡日耀・台湾漁業署副署長も今月11日、立法院(国会に相当)で
 「中国の船舶は、日本と結んだ漁業協定の適用対象ではない」
という答弁を行った。
 中国漁船は、台湾が日本から操業権を認められた海域で操業できないというわけだ。

 しかし、日本も防げない中国の海洋監視船や漁船の尖閣海域出現を台湾が防止・追放するというのは現実的には難しい、というのが専門家たちの分析だ。
 東シナ海の休漁期間が明ける今年9月以降、尖閣周辺海域で中国と台湾、日本の「三角対立」が起こるのではないか、という懸念も持ち上がっている。

 中国は台湾を非難している。
 親中系の香港紙・大公報はこの日
 「尖閣諸島は中国領で、両岸の漁船はどちらもこの海域に入って操業できる。
 台湾は、日本が与えるちっぽけな利益のために、民族の大義を捨ててはならない」
と主張した。

 また中国国営の環球時報電子版も11日、在米華僑の評論家が執筆した
 「いっそ台湾は口を閉ざして黙っているべき」
という趣旨の記事を掲載した。

 日台間の漁業協定は認められない、という意見も出ている。
 清華大学の劉江永・国際関係研究院副院長は
 「中国と日本は1997年に釣魚島に関する漁業協定を締結し、排他的経済水域(EEZ)制度も施行している。
 台湾は中国の一部なので、別途日本と漁業協定を締結する必要はない」
と語った。

 一方、中国海軍の東海艦隊は今月10日から15日まで、浙江省寧波付近の東シナ海で実弾射撃演習に入り、これは日本・台湾間の漁業協定締結を念頭に置いたものではないかという見方が出ている。

 今回の演習には、戦闘艦艇はもちろん、早期警戒機や戦闘機も参加しているという。


韓国は中国を選択して、台湾は日本を選択したということだろう。
 中国はどう出るか。



サーチナニュース  2013/04/13(土) 11:11
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0413&f=politics_0413_002.shtml

尖閣巡る日台漁業取り決めに中国が不快感「妥当に処理せよ」

  中国政府・外交部の洪磊報道官は12日の定例記者会見で、日本と台湾が尖閣諸島周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)で台湾漁船の操業を認める取り決めを結んだことに対して
●.「日本側の一方的な行動」
●.「台湾に関わる問題を、妥当に処理するよう要求する」
などと述べた。

  洪報道官は
 「釣魚島とその周辺の島(尖閣諸島の中国側呼称)は中国固有の領土だと強調する」
の述べた上で、
●.「(日中)両国は1997年にすでに、漁業協定に署名した。
 中国は日本側が関連海域で一方的な行動を取ることに反対する」
●.「われわれは日本が中日共同声明が明確に確定した精神と原則に厳格にもとづき、台湾に関わる問題を妥当に処理するよう要求する」
などと述べた。

  「取り決め」は、日本側の「交流協会」と台湾側の「亜東関係協会」が締結した。
 「交流協会」は公益財団法人で、「亜東関係協会」は中華民国外交部(台湾外務省)の所属機関。
 日本が中華民国(台湾)を国家として承認していないため、双方の外務省(外交部)は直接交渉せず、「交流協会」と「亜東関係協会」が双方の交流・交渉の窓口機関として機能している。

  両協会が今回の漁業取り決めを締結したのは従来通りの方式。
 「取り決め」としたのは、「国家間の約束」を意味する「協定」ではないことを示すため。
 当初伝えられた台湾漁船の「領海内における操業」は盛り込まれず、日本側の“善意”により、台湾漁船の日本側EEZ内での操業が認められることになった。
 台湾も
 「釣魚台(尖閣諸島の台湾側呼称)はわが領土」
と主張しているが、交渉では領土問題を持ち出さなかった。

  日台が合意した「取り決め」だが、沖縄県の仲井真弘多知事は12日、日本政府が地元、沖縄県の意向を踏まえず「頭ごなしに」台湾側に譲歩したとして不快感を示した。

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◆解説◆

  洪報道官が言及した日中漁業協定とは、1997年に締結、2000年に発効した「新協定」を指す。
 同協定では、尖閣諸島の北側を「暫定措置水域」と定めた。
 ただし、水域の名称について中国側の主張があり、両国閣僚が協議した結果、改めて「中間水域」の名称になった。

  「暫定措置水域」(中間水域)については、
 「いずれの国の漁船も相手国の許可を得ることなく操業することができ、各国は自国の漁船についてのみ取締権限を有する」、
 「同水域における操業条件は日中共同漁業委員会が決定する」、
 「同水域において相手国漁船の違反を発見した場合は、その漁船・漁民の注意を喚起すると共に、相手国に対して通報することができる」
などと定められた。

  締結当時の日本は自社さきがけ連立政権で、首相は橋本龍太郎だった。

  中国にとって
 「台湾は中国固有の領土。したがって統一を実現する」
は譲ることのできない国是であり、日本が台湾との交流強化につながる動きを見せた時には、必ず強く反発する。
 その際に、言及するのが両国間が取り交わした「政治文書」だ。

  主要な「政治文書」のひとつが国交正常化時に取り交わした「日中共同声明」だ。
 日本側は田中角栄首相と大平正芳外相、中国側は周恩来首相と姫鵬飛外相が署名した。

  同声明には
 「日本国政府は、中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認する」
として、日本がそれまで採り続けてきた
 「中華民国政府が中国を代表する政府」
との立場を放棄することが盛り込まれた。

  一方で、台湾については、
 「中華人民共和国政府は、台湾が中華人民共和国の領土の不可分の一部であることを重ねて表明する」
と記載する一方で、
 「日本国政府は、この中華人民共和国政府の立場を十分理解し、尊重し、ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する」
とした。
 日本側が無条件に「台湾は中国の一部」と認めたわけではないなど、微妙な“含み”を残した内容だ。




レコードチャイナ 配信日時:2013年4月20日 11時46分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=71514&type=0

<尖閣問題>
「日台漁業協議は尖閣紛争解決の先触れに」馬英九総統が発言―香港メディア

 2013年4月17日、香港フェニックステレビはウェブサイトで記事
 「馬英九台湾総統:日台漁業協定調印は釣魚島紛争解決の先触れとなる」
を掲載した。

 17日は日清戦争の講和条約である下関条約締結118周年に当たる。
 台湾外交部局はこの日、尖閣諸島シンポジウムを開催した。
 馬英九総統も出席、持論である東シナ海平和イニシアチブを改めて主張した。
 主権争いを棚上げにして資源の共同開発を進め、地域の平和と安定を確保するべきと語った。

 その意味で、先日、合意された日台漁業協議は尖閣諸島問題解決の先触れにもなる重要な意義を持つと強調した。






【中国はどこへむかうのか】


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