●5日、日本では毎年外相が外交青書を閣議報告する。過去1年間の国際情勢と日本外交について報告するとともに、今後の外交方針を詳細に明らかにする内容だ。写真は日本の国会議事堂。
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レコードチャイナ 配信日時:2013年4月7日 8時30分
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日本の外交青書、安倍政権にとってプラスかマイナスか―中国メディア
2013年4月5日、日本では毎年外相が外交青書を閣議報告する。
過去1年間の国際情勢と日本外交について報告するとともに、今後の外交方針を詳細に明らかにする内容だ。
■危機を誇張
報道によると、2013年版外交青書は2012年版と基本的に同じ内容で、引き続き
「中国の脅威」を公然と誇張し、
日米同盟強化を積極的に主張。
この他、アフリカとの関係を初めて重要な外交議題に引き上げた。
外交青書は2012年9月の尖閣諸島国有化以降の
中国公船の「日本の領海への侵入」や中国軍艦の射撃管制レーダー照射事件など中国による一連の「挑発行為」
を詳細に列挙したうえで、中国の発展が
「日本国民の生命と財産の安全を脅かし続けている」
と総括した。
「中国の脅威」を公然と誇張する以外に、日本政府は周辺情勢も注視。
外交青書は「朝鮮半島情勢は一層緊張が高まり、アジア各国の軍事費増加の動きは非常に顕著で、海洋権益をめぐる各国間の緊張も高まり続けており、日本周辺の情勢は厳しさを増している」とした。
目下の北東アジア情勢の緊張については、米国が兵力を「中核地域」に配備し、「日米安保体制の抑止力を強化」することは「アジア太平洋地域の平和と安定の保障にとって」不可欠だと、さらに強く主張した。
この他、外交青書はアフリカ政策を「日本外交の優先課題の1つ」として一段と重視。
日本人10人が犠牲となったアルジェリア人質事件の教訓を汲み取り、テロ対策に尽力するとした。
■下心がある
外交青書がアジア太平洋の安全保障問題に繰り返し言及したのはなぜか。
表面的に見るとアジア太平洋地域の調和と安定を「憂慮」しているからだが、実際には外交青書の助けを借りて周辺情勢の「緊張」を誇張することで、人には言えぬ目的を達成するためだと分析される。
清華大学国際関係研究院の呉大輝(ウー・ダーフイ)教授は
「外交青書が中国の脅威を誇張したのは、『自由の海洋の弧』という政府の外交方針のために、脅威の雰囲気をつくりあげるものだ。
『自由の海洋の弧』は2006年の第1次安倍内閣時に打ち出した外交方針『自由と繁栄の弧』と同様、本質的に『対中包囲の弧』を築こうとするものだ」
と指摘した。
実際、日本政府はすでに外交政策「自由の海洋の弧」をめぐってしきりに行動を起している。
安倍氏は今年、東南アジア諸国を繰り返し訪問している。
最近、安倍氏の影はモンゴルにも出現した。
こうした頻繁な外交的動きについて、中国社会科学院日本研究所の呂耀東(リュー・ヤオドン)研究員は
「日本のアジア太平洋外交戦略は、アジア太平洋諸国と連携して中国に対抗することを意図している。
①.1つには『中国の脅威』を宣伝することでアジア太平洋諸国を丸め込んで中国を封じ込める。
②.もう1つには脅威の世論の助けを借りて平和憲法を改正し、敗戦国のレッテルを剥がし、普通の国になることを企んでいる」
と指摘した。
平和憲法の改正という日本政府の企みは、アジア太平洋外交戦略だけでなく、アフリカに対する策略にも現れている。
外交青書はアフリカを日本外交の重点的方向として発展させる方針を打ち出した。
呂氏はこれについて
「日本のアフリカ外交の真の最優先課題は対アフリカ関係の発展ではなく、アルジェリア人質事件の助けを借りて自衛隊に対する規制を緩和し、外国でのテロ対策の権利を持たせ、その中で武器使用制限を的確に緩和することにある」
と述べた。
中国社会科学院日本研究所の王屏(ワン・ピン)研究員は
「アフリカは国連の議席の3割近くを占める大票田だ。
日本がこのほど発表した包括的アフリカ支援計画は、実際には国連常任理事国入りの問題でアフリカ各国の支持を取り付け、普通の国への道を開くためのものだ」
と指摘した。
■得るものよりも失うものの方が大きい
安倍氏は2012年、「日本経済立て直し」をスローガンに有権者の支持を得て、首相に当選することに成功した。
今また安倍氏は経済的成果によって票を取り込み、7月の参院選での勝利を目指す方針を表明している。
だが現在の日本政府の経済政策では有権者を満足させられないようだ。
日本メディアによると日本のCPI(消費者物価指数)は4カ月連続でマイナスとなった。
失業率は次第に上昇し、長年黒字だった貿易収支も過去最大の赤字に転じた。
国の経済発展には外部情勢の安定が不可欠だ。
現在、日本政府の実行する右翼外交路線は、日本経済・貿易の発展にとって大きな障害となっている。
中国税関総署が3月8日に発表した統計によると、
今年2月の日中貿易額は2012年同期比8.2%減少し、
日本の対中輸出は15.8%減少した。
これについて呂氏は
「日本の『封じ込め政策』は地域全体の発展にとって大変マイナスだ。
日本は中国を孤立させ、脅威の雰囲気をつくりだすことで、『普通の国』の地位を勝ち取ろうと企てているが、これは反対に日本自身の経済発展を立ち往生させるだろう」
と分析した。
貿易が低迷する中、日本政府は経済面の譲歩と引き換えに米国から安全保障を得ることも望んでいる。
日米が現在協議しているTPP(環太平洋パートナーシップ協定)計画について言えば、日本農林水産省はTPPに加入した場合、日本は約11兆6000億円を損失し、約340万人の失業を招くとしている。
呉氏は
「日本のTPP加入は、経済的リスクを背負っているだけでなく、アジア太平洋地域統合の主導権を米国が握るよう促し、日本経済を一層米国に依存させる可能性がある」
と指摘した。
日本政府は経済発展に尽力すると自称し、「危機突破内閣」を自任している。
だがその外交面ですることなすことが、日本の発展にとってマイナスだ。
日本経済の立て直しという選挙時の安倍氏の約束は水泡に帰す可能性がある。
(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/内山)
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今の日本の外交経済の目標は
「いかに中国への依存度を低減するか」
にかかっている。
そして、その減った分の穴埋めを他の諸国に期待している。
もちろんそれは、2,3年はこの中国貿易の落下で苦しむことになることは承知の上で、その後のことである。
要は、その苦しみの後に発芽するであろう希望を期待することが目標になっている。
安易な中国依存が「失われた20年」を作ってしまったことが、大きな反省となっている。
「失われた歴史」から離脱するにはなんとしても「脱中国」に向かわねばならない。
それが、
「日本は必ず戻ってくる:Japan shall return」
ということなのであろう。
ここしばらくは、脱中国の世界戦略に忙しく飛び回ることになる。
日本が中国離れをするということは、外資がその動向を見て、その一部が順じていくことになる。
中国にとっては、これから暗い側面がジワジワと表面に浮き出てくる。
中国が強く出ればでるほど、日本は柔軟にして確実に中国離れを実行していく。
日本にしてやられてしまう中国、そんな雰囲気が濃厚になってくる。
外交に関しては日本の方がたけている。
人は日本の外交ベタをあげつらうが、外交ベタの国が40年以上のナンバー2の地位を確保できたはずがない。
日本の外交は表面で負けて相手に華をもたせ、見えないところで益をあげるスタイルである。
人はそういう方法を「日本の外交ベタ」と表現するだけのことである。
これからは中国に傾注することなく、諸国に手まめに足まめ顔まめに動きまわり
「商い風外交」
に戻り、昔のスタイルに戻っていくことになるだろう。
【中国はどこへむかうのか】
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