2013年4月28日日曜日

解放軍戦闘機の大量投入の偶発事故で日中開戦の危険性が増大

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サーチナニュース 2013/04/28(日) 15:49
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0428&f=politics_0428_007.shtml 

中国軍、航空機40機を尖閣周辺に飛ばし「悪人は日本」と主張

  中国国防相の関係者は28日までに、
 日本の産経新聞が27日付で、中国は23日に公船を尖閣諸島から12海里以内の近海に侵入させると同時に、新型戦闘機など40機以上を尖閣諸島周辺に飛来させたと報じたことを受け、
●.「日本は『悪人が先に訴える』の手法を用い、中国軍の顔に泥を塗ることをしている」、
●.「日本こそ、地域の安定にとってのいざこざを起こす者だ」
などと非難した。
 インターネットメディアの環球網が報じ、中国新聞社などその他の中国メディアも報じた。

  中国軍関係者としても珍しいほど、日本をとげとげしい言い回しで非難した。
 自国の軍用機投入については「自国が管轄する海上空における正常の軍備でのパトロールをした」と主張し、
 日本側が「F-15戦闘機、P3C対潜哨戒機で監視と干渉を行い、中国側の飛行の安全に悪影響を与えた」ために、「これに対して対抗措置を講じた」と述べた。

  日本側の反応に対しては、
●.「白黒を逆にして、自分のことを棚に上げて人をとがめた。思う存分に“中国の脅威”を誇張した」
と主張。
 さらに、
●.「言っておかねばならないが、今年(2013年)になって以来、日本は絶えず挑発してもめごとを起こした上で、『悪人が先に訴える』の手法を用い、中国軍の顔に泥を塗ることをしている」、
●.「日本こそ、地域の安定にとってのいざこざを起こす者だ」、
●.「われわれは日本側が適切な措置を取り、故意に地域の緊張局面を作る手法をやめるよう要求する」
と述べた。

  産経新聞は複数の日本政府高官の話として、
★.「軍用機は戦闘機が大半で、新型のSu27とSu30を投入。
 航空自衛隊の戦闘機パイロットの疲弊を狙って絶え間なく押し寄せた」
★.「前代未聞の威嚇だ」
などと紹介した。

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◆解説◆

  中国の軍は、世界的に見ても特異な地位を有している。
 まず、軍の行動についての意思決定を行うのは中国共産党中央軍事委員会だ。
 同委員会の発足は1945年8月だが、中国共産党は1927年に現在の中国人民解放軍の前身である「中国工農紅軍」を組織するなど、軍事力運営の長い歴史があった。

  国家組織としての「中華人民共和国中央軍事委員会」も1982年に設立された。
 トウ小平の「人民解放軍の国軍化」の意向を受けてのものだったが、同委員会は構成メンバーが「党中央軍事委員会」と重複するなど、現在に至っても中国軍は「党の軍隊」としての性格が極めて強い。

  党、国家の両中央軍事委員会とも現在のトップは習近平主席(共産党総書記、国家主席を兼任)だが、軍に対して強い支配力があるのではなく、
 逆に軍の支持により権力を掌握している
との見方が強い。
 だとすれば、中国軍では現在も文民統制(シビリアン・コントロール)とは対照的な、「制服組による統制」が行われていると考えてよい。

  一方、中国政府(国務院)は憲法上の国家の最高権力機関である全国人民代表大会で選ばれた首相(国務院総理)が主宰する行政機関だ。
 軍とは別系統の組織であり、
 中国政府が軍に対して影響力を行使することはできない。

  国防部は中国政府に所属するが、本来は人事管理や会計業務、軍と政府の調整など軍に関係する行政である「軍政」を行う機関であり、軍の行動そのものを決定する「軍令」にたずさわる立場にはない。
 ただし、国防部の報道官は軍の行動や考え方について発言することが多く、中央軍事委員会の考えの代弁者としても機能していると考えられる。

  対日関係について外交部は日本と直接折衝する立場でもあり、報道官が日本を強く非難する場合でも、どこかに「日本と話し合いが出来るとの“含み”」を残す場合が多い。
 国防部報道官の方が強硬な発言をすることが多いが、日本を名指しで「悪人呼ばわり」した今回の発言は国防部報道官としてもやや異例の強硬発言だ。


 「航空自衛隊の戦闘機パイロットの疲弊を狙って絶え間なく押し寄せた」
というのはすばらしい。
 戦闘訓練というのはすべて人間の限界を超えたその上でどのような行動はとれるかというものを身に叩きこむものである。
 次から次へと飛来する戦闘機に、いかに手持ちの機体数でスクランブかけるか。
 教科書では教わるであろうが、国内では絶対に演習できない戦術である。
 それを今回、中国がシチュエーションしてくれた。
 なかなかこういうチャンスはない得がたいものである。
 航空自衛隊これによって相当学んだのではなかろうか。
 中国さまさまであろう。
 反対に中国は手の内を部分的にさらけ出してしまった。
 本番でやることと、やらないこととの区別はきっしりとつけておかいといけない。
 この戦術は空自のマニュアルに中国スタイルとして書き込まれていくであろう。

 気になるのだが、船舶もそうだが中国の戦術には
 「疲弊を狙う」’
というのがあるようだ。
 尖閣領域で巡視船の鬼ごっこをして、日本の疲弊を狙う、といったたぐいのものである。
 巡視船の鬼ごっこ程度で日本が疲弊すると思っているのであろうか。
 まだ、この程度でパイロットの疲弊を誘うなってことができるのであろうか。
 もし疲弊をさそいたいなら、さいていでも3日間連続ぐらい続けないといけないのではないだろうか。
 このていどでは、「いい訓練をさせてもらった」で終わってしまうのではないだろうか。
 一睡もせずに徹夜したところで心身には影響ない。
 まして疲弊などしない。
 ちょうど’いい疲労のなかでどう戦うかの訓練を実地でやらせてもらったということではないだろうか。
 戦争は疲弊の向こうでどう戦うかである。
 パイロットの疲弊とか、巡視船の疲弊を狙って、なんてことを本当に考えているのであろうか。
 もしそうなら、時代錯誤だ。
 戦時中の竹槍訓練みたいなものだ。
 機関銃で爆撃機を撃ち落としたりするようなもんだ。


レコードチャイナ 配信日時:2013年4月28日 12時52分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=71796&type=0

中国軍、尖閣海域での空軍抑止力を強める―米メディア

 2013年4月27日、米ラジオ局ボイス・オブ・アメリカ(VOA)中国語版サイトは日本メディアの報道として、23日に中国の海洋監視船8隻が尖閣海域に侵入した際、40機以上の中国軍機も飛来していたと伝えた。

 飛来した中国軍機には「蘇―27」「蘇―30」など新型の戦闘機も含まれていた。
 尖閣海域で中国監視船と日本側が対峙している間、空から情報を収集し中国監視船に送っていたものとみられる。
 今回飛来した戦闘機は以前から飛来していた戦闘機に比べて性能の良い第4世代戦闘機。中国側が尖閣海域における空軍抑止力を強化したことを示している。


 解放軍の戦闘機が投入されたということは偶発事故で日中開戦の危険性が高くなった、ということになる。
 ただ、解放軍海軍が動かないので本格的なものにはなりにくい。
 戦闘機の事故開戦は線香花火に近い。
 だが、事故が起これば世論が動き、海軍も動き出さざるを得なくなる。
 そうなったら、もう共産党並びに中国政府には止められない。


 


【中国はどこへむかうのか】


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