2013年4月5日金曜日

日本政府の円安政策:2%の物価上昇を2年で達成を最優先の政策課題に



●3日、安倍政権の推進する円安による景気刺激は、災いを隣国に押し付ける政策だ。「金融戦争」を過度に誇張し、中国も金融戦争に参戦すべきだと提案するにいたっては、理性の欠けた感情的な態度であると言わざるを得ない。資料写真。


レコードチャイナ 配信日時:2013年4月5日 7時10分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=71008&type=0

日本政府の円安政策、中韓は傍観すべきではない―中国メディア

 2013年4月3日、安倍政権の推進する円安による景気刺激は、災いを隣国に押し付ける政策だ。
 「金融戦争」を過度に誇張し、中国も金融戦争に参戦すべきだと提案するにいたっては、理性の欠けた感情的な態度であると言わざるを得ない。
 これは問題解決につながらないばかりか、むしろ情勢を複雑化・悪化させることになる。
 経済参考報が伝えた。

 急激な円安を終えたばかりだが、より長いスパンで観察すると、円相場がその他の通貨と比べ大幅に低下していないことが分かる。
 2008年9月にリーマン・ショックが発生した当時、円の対米ドルレートは1ドル=105円ほどであった。
 1995年4月に円相場が1ドル=79.75円のピークに達してからは、1ドル=100円で推移を続け、2012年中頃にいたるまで円高が続いていた。
 2010年10月には1ドル=80円に達し、1995年4月の円高記録に迫った。

 2011年3月に東日本大震災が発生すると、円高が記録更新を続け、一時的に1ドル=76.25円に達した。
 その後は短期的な調整を経て、2012年11月上旬になると、1ドル=75~80円で小幅変動するようになった。
 主な国際通貨を見ると、リーマン・ショック以降、円は相場が上昇した数少ない通貨である。
 学術界(一部の市場機構を含む)はこの円高現象を理解できなかった。
 日本経済は金融危機の際に、欧米諸国より好調でなかったばかりか、むしろ不調であったからだ。

 野田佳彦前首相は2012年11月に衆議院解散を宣言し、衆議院選挙が始まった。
 首相再就任を目指す安倍晋三氏は、日本経済の衰退の原因は円高だと重ねて強調した。
 安倍氏が新首相に就任すると、円相場が急激に低下した。
 今年3月12日には1ドル=96円となり、前年の相場から約28%低下し、衆議院選挙がスタートした当時と比較しても20%低下した。
 しかし円の対米ドルレートは、依然として金融危機前の水準を上回っている。
 多くの機構は、今年中に1ドル=100円の大台に乗ると予想している。
 しかし2013年2月に入ると、円相場が横ばいを呈するようになった。

 リーマン・ショックから現在に至るまで、米ドル指数は金融危機当時の80を下回ったことはほとんどない。
 現在の米ドル指数は82~83の間で推移しており、金融危機前と同等の水準に達している。
 ユーロは基本的にユーロ安となっている。
 ユーロの対米ドルレートは今年に入り上昇し、2月1日には1ドル=1.37ユーロに達したが、その後は低下を続け、金融危機前の水準を大きく下回っている。
 また、2005年7月から現在まで、人民元の対円レートは10%上昇しているが、対米ドルレートは29%上昇しているため、大きな円安は生じていない。
 これは人民元の対米ドルレートの持続的な上昇傾向と対照的だ。

 分析を進めると、日本経済の持続的な低迷と衰退は、近年の円高によるものではないことが分かる。
 日本経済の実情は、マクロ経済データで示されているほどひどいものではない。
 日本の失業率は長年5%以下を維持しており、現在はわずか4.2%のみで、先進国の中で非常に低い水準となっている。
 労働力人口が徐々に減少する状況下、GDP(国内総生産)を経済状況の判断基準にすれば、正確性が欠ける。
 労働力は2大生産要素の1つであり、全要素生産性(TFP)が引き上げられなければ、労働力人口の減少により必然的にGDPが減少する。
 日本政府の統計データによると、日本の人口は2007年から減少を続けており、2011年には20万4000人減となった。
 2011年末時点で、日本では65歳以上の高齢者が総人口の23%を占め、15歳以下の児童は13%に低下した。

 GDPにより判断する経済衰退には、必然性が存在する。
 日本は人口減少の他に、企業の技術イノベーションが不足している。
 韓国企業は家電・携帯電話など日本が強かった分野で日系企業を追い越し、自動車でも日本メーカーとの差を大きく縮めている。
 かつて世界中を席巻していた日本の3大家電メーカーのシャープ、パナソニック、ソニーは近年、巨額の赤字を計上している。
 その主因は技術イノベーションの判断ミスで、世界市場の競争で敗北を喫した。
 当然ながら、近年の円高によりある程度マイナス影響が生じたことは否定できない。

 日本政府は円安による輸出入の調整により、経済成長をけん引しようとしている。
 しかし具体的な状況に即した問題解決の手段を講じていないため、円安により長期的な不況を覆すことは不可能であり、利益が生まれるとは限らない。
 しかし急激な円安は、周辺諸国の対日輸出を抑制する。
 世界の外貨準備高のうち、アジアの国と地域が主に円の投資を行っている。
 急激な円安は、各国の外貨準備高における円建て資産の急激な値崩れを招く。

 欧米の量的緩和策は本国通貨の為替操作を行わず、低金利政策により消費・投資を刺激している。
 しかし日本の現在の政策は為替操作であり、急激な円安による輸出刺激で、経済成長をけん引しようとしている。
 中国や韓国などのアジア諸国が、円安対抗として本国通貨の相場を低下させた場合、これは競争的な為替操作戦争を発生させ、アジア全体を混乱に陥れるだろう。

 為替操作に追随すべきではないが、日本政府の人為的な円安政策を放任すべきでもない。
 中国と韓国は2国間・多国間で日本と協議・交渉し、円安操作による負の影響を認識させ、労働力人口の減少と企業の技術イノベーションの判断ミスこそが、日本経済の持続的な低迷の主因であることを認識させるべきだ。
 金融緩和策や無責任な為替操作のみを講じ、問題の根源を直視しなければ、日本経済は今後も足踏みを続け、苦境から脱却できないだろう。

(提供/人民網日本語版・翻訳/YF・編集/内山)



CNNニュース 2013.04.04 Thu posted at 19:08 JST
http://www.cnn.co.jp/business/35030428.html?tag=cbox;business

日銀、新たな量的緩和策発表 物価上昇率2%は2年で達成

 香港(CNNMoney) 日本銀行は4日、デフレからの脱却を目指すため年2%の物価上昇率を2年内に達成するなどの対策を新たに発表した。

 市場の予想を上回る踏み込んだ内容の対策を盛り込んでいる。
 安倍晋三首相は2%の上昇率を最優先の政策課題とし、これを実現させるために全ての措置を講じると宣言していた。
 首相は、長期の低調下にある日本経済を活性化する施策を日銀はこれまで講じていなかったと主張、先の総選挙でも日銀「改革」を公約の軸にしていた。

 首相は円安につながる積極的な為替政策を通じた消費者の支出拡大、景気刺激を促す公共事業拡大などによるデフレ脱却を目指している。

 日銀は4日の発表で、物価上昇率の目標値については出来るだけ早期に実現させると説明。
 また、長期国債や投資信託の保有額を2年でそれぞれ2倍にする方針も明らかにした。
 年平均60~70兆円の規模で購入する。

 さらに長期国債の買い入れ制限の内規を凍結することも決めた。

 日銀による今回の対策は、安倍首相が起用した黒田東彦(はるひこ)総裁が就任後に初めて打ち出した量的緩和策となっている。



レコードチャイナ 配信日時:2013年4月15日 17時23分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=71361&type=0

大胆な緩和進める日銀、「黒田旋風」に懸念や不満の声―中国メディア


●15日、このほど日本銀行総裁に就任した黒田東彦氏は、安倍晋三首相が掲げる経済政策「アベノミクス」を徹底的に貫徹実施し、金融緩和策を「総動員」して、マネタリーベースを2012年末の138兆円から14年末には270兆円に拡大するとしている。資料写真。

 2013年4月15日、このほど日本銀行(中央銀行)総裁に就任した黒田東彦氏は、安倍晋三首相が掲げる経済政策「アベノミクス」を徹底的に貫徹実施し、金融緩和策を「総動員」して、マネタリーベースを2012年末の138兆円から14年末には270兆円に拡大するとしている。
 日銀は緩和策の効果を高めるため、40年債を含むすべての長期国債を購入の対象にすることを決定した。
 経済参考報が伝えた。

 黒田総裁は白川方明・前総裁とは明確に異なる。
 これまでの緩やかな緩和というやり方を改め
 一気に事を進める緩和策の総動員というやり方に変え、量的にも質的にも大胆な緩和を進める
としている。

 目先の利益という点でいえば、日本の大胆な金融緩和政策は一定の成果を上げており、特に市場は好材料であるとして大きく反応した。
 東京証券取引所の株価は連日上昇し、11日の日経平均株価終値は1万3549.16円だった。
 外国為替市場ではドルの対円レートが1ドル=100円の大台を突破し、10日には米国・ニューヨーク証券取引所で1ドル=99.76円の終値をつけた。

 株の値上がりが日本企業に対する投資家の信頼感を高め、日本企業の資金調達環境は大幅に改善された。
 日本の経済紙の9日付報道によると、多くの企業が4月に社債を発行する計画で、日産、NTT、近畿日本鉄道、日本製粉、オリックス、ブリヂストンなどがこれに含まれる。
 大幅な円安は、長らく続く円高に苦しんできた日本企業が業績を回復するのを大いに助け、同紙が10日に発表した企業140社に対する緊急調査の結果によると、回答企業の90%以上が大胆な量的緩和政策を積極的に評価する態度を取った。

 大和証券の推計によると、円安は日本の輸出企業を大いに助けることになり、1ドル=100円、1ユーロ=130円の水準を維持すれば、主な輸出企業の2013年度の営業利益は前年比45%増加するという。

 とはいえ、黒田氏の打ち出す新たな通貨政策に疑問を持つ人も多い。

★.第1に、黒田氏が掲げる2%のインフレ目標を達成できるかどうかは未知数だ。
 日本がデフレになった主な原因は需要不足にある。
 日本経済は失われた20年を過ごし、経済は長期にわたって低迷し、国民の所得は減り、国民の財布の紐は固く締まり、消費需要は振るわない。
 量的緩和に頼るだけでは、経済は成長せず、国民の所得は大きく伸びず、インフレ2%を達成するのは難しい。

★.第2に、日銀は2年連続で50兆円を国債の購入に充て、日本政府は毎年の財政支出の半分以上を国債発行でまかなっている。
 日銀の国債購入額は政府の年間国債発行額の70%に達し、これでは政府の財政赤字の穴埋めをしていると言われても仕方がない。
 日本の債務残高の対国内総生産(GDP)比は200%を超えており、日本銀行のやり方は主権債務危機を招く恐れがある。

★.第3に、日銀は2年でマネタリーベースを2倍に増やし、14年末には270兆円にするとしている。
 そうなれば日本のGDPの半分以上になり、量的緩和の規模は米連邦準備制度理事会(FRB)を上回り、新たな通貨戦争を引き起こす可能性がある。

 現在、韓国と欧州が日本のやり方に不満を表明している。
 米国は長期にわたり円高を抑えようとしてきたが、円安のレベルが米国の許容範囲を超えたため、今後は何らかの干渉を行うとみられる。
 日本が現在の隣国を防波堤にするようなやり方を続けるなら、新たな円安競争を引き起こし、ひいては世界金融市場に動揺と不安をもたらすことは必至だ。
(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/内山)




レコードチャイナ 配信日時:2013年4月16日 17時14分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=71391&type=0

米財務省、日本の意図的な円安をけん制―中国メディア

 2013年4月15日、中国証券報によると、米財務省は今月12日に発表した半期に一度の為替政策報告書の中で、
 日本は世界市場で競争力をつけるため意図的に円相場を引き下げるべきではない
と警告した。
 日本側はこれについてコメントを控えている。

 米財務省は、日本の経済政策に注目を続け、これらの政策の目的を円相場低下ではなく経済成長促進にさせるとした。
 また、米財務省は日本に圧力をかけ続け、競争的な為替操作および為替目標を競争力向上に結びつけるやり方を防止するとした。

 安倍晋三首相がデフレ脱却に向けて実施した金融緩和・財政支出政策に促され、近頃円相場が大幅に低下している。
 安倍首相が2012年12月26日に就任してから、米ドルの対円レートは計15%上昇した。
 日銀による大規模な金融緩和策の発表を受け、米ドルの対円レートは過去1週間だけでも7%弱上昇した。
 先週の円相場は1ドル=99.96円の過去4年間で最高水準に達し、100円の大台に近づいた。

 ドイツ銀行の駐ニューヨーク外為プランナーは、
 「これは米財務省が日本への注目を強め、意識的に円相場を操作しないという日本側の約束を守らせることを意味する。
 しかし同報告書には、日本がこの約束に背いていることをほのめかす内容は含まれなかった」
と指摘した。

 米財務省は同報告書で、中国を為替操作国に指定しなかったが、
 「人民元の実質実効為替レートを見ると、人民元は依然として低く見積もられており、さらなる相場上昇の理由が存在する」
とまとめた。
(提供/人民網日本語版・翻訳/YF・編集/内山)





【中国はどこへむかうのか】


 
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