2013年4月8日月曜日

「鳥インフルは米国の攻撃」:中国軍事専門家が“米陰謀論”を




●6日、香港政府は鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)の侵入を防ぐため、空港や駅における香港への入境者の体温チェックを強化するなど、警戒を強めている。写真は上海の市場。


ロイター 2013年 04月 4日 16:09 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE93303V20130404/

焦点:鳥インフル変異で「パンデミック」の恐れ、感染源なお不明

[ロンドン 3日 ロイター] 
 中国で初めてヒトへの感染が確認されたH7N9型の鳥インフルエンザは、科学者らが遺伝子配列のデータ分析を行った結果、ヒトへのパンデミック(世界的大流行)を引き起こしやすいタイプに変異していることが分かった。

 しかし、中国で死者3人を出した同ウイルスがヒトからヒトへ感染している証拠は今のところ見つかっていない。
 中国の保健当局がH7N9型の感染確認を発表してからまだ数日しかたっていないが、世界各地の研究者は感染者から検出されたウイルスの遺伝子情報の提供を受けて、大流行の可能性について研究を進めている。

 オランダのエラスムス大医学センター教授で、インフルエンザ研究の世界的権威であるアブ・オステルハウス氏は、遺伝子の配列から変異していることが分かり、当局による警戒と動物やヒトへの監視を強化すべきだと指摘する。
 オステルハウス氏はロイターの電話取材に、
 「ウイルスは既にある程度までは哺乳類やヒトに適応しており、そうした観点から憂慮すべきだ」
とし、
 「注意深く監視する必要がある」
と述べた。

 中国の国家衛生計画生育委員会は1日、H7N9型鳥インフルエンザに3人が感染し、このうち上海の87歳と27歳の男性が3月初めに死亡したと発表。
 3日までに死者は3人、感染者は9人に増加した。

 世界保健機関(WHO)も同日、ヒト感染が初めて確認されたことから、同ウイルスの問題を「深刻に捉えている」との見解を示した。
 鳥インフルエンザをめぐっては、ここ数年でH5N1型などの流行が起きているが、これまでヒトからヒトへの感染は確認されていない。
 一方、H7N9型もこれまでのところ、ヒト同士の感染はないとみられている。

 研究はまだ初期段階だが、これまでの分析でH7N9型は、鳥が感染しても病気になりにくい低病原性(LPAI)だとされる。
 ただ、インペリアル・カレッジ・ロンドンのウェンディ・バークレー教授は、ヒトに対しても同様だとは必ずしも言えないと警鐘を鳴らす。

■<感染源は依然分からず>

 バークレー教授は、H5やH7の亜型が特に鳥の間で感染を繰り返すうちに、低病原性からより危険な高病原性に変異していると説明、
 「われわれは無関心ではいられず、注意が必要だ」
と語る。
 鳥にとって危険性が低いということは、H7N9型が静かに拡散する可能性も意味する。
 そうなると、野生の鳥や家禽(かきん)が大量死し、目に見えて影響が分かるH5N1型のような高病原性に比べて発見が難しくなる。
 バークレー教授は、
 「両刃の剣のようなものだ。
 高病原性なら全てのニワトリが死亡し、養鶏業者にとっては非常にまずい事態だが、ウイルスがどこにあるかは分かりやすくなる」
と指摘。
 ただ、
 「今のところ、このウイルスの感染源は分かっていない。
 どの動物が感染源かも分からない」
として、事態を憂慮した。

 現在、中国や世界の研究者にとって最優先の課題は、感染源を突き止め、ウイルスがヒトの間で大流行を引き起こすタイプに変異するかどうかを監視することだと、オステルハウス氏とバークレー氏は口をそろえる。
 WHOは、中国政府が監視体制の強化のほか、感染者と接触した人の追跡調査や医療関係者の訓練など、重要な各種対策を取ることで事態に対処していると評価する。
 専門家は、H7N9型が確認後、速やかに報告されたという事実や世界中の研究者が分析できるように遺伝子情報が既に提供されているということが、状況が変わってきた兆しだと指摘する。

 2003年にSARS(重症急性呼吸器症候群)が流行した際、中国政府は当初、その事実を隠ぺいしようとした。
 猛威を振るったSARSは世界中で約8000人が感染し、その10%が死亡した。
 英レディング大学のウイルス学教授イアン・ジョーンズ氏は、インフルエンザ自体への意識や、通常とは異なる呼吸器系疾患が新たなインフルエンザかもしれないとの懸念が高まることで、医療機関にはさらなる事例が集まるようになると期待する。

 同氏は
 「インフルエンザはどこかに存在するため、こうしたケースを検知できる可能性はかなり高い」
との見方を示した。

(ロイター日本語サービス 原文:Ben Hirschler、Will Waterman、翻訳:橋本俊樹、編集:宮井伸明)



レコードチャイナ 配信日時:2013年4月7日 22時30分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=71083&type=0

<鳥インフル>SARSから10年、警戒の手を緩めぬ香港政府―香港メディア

 2013年4月6日、香港メディアによると、香港政府は鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)の侵入を防ぐため、空港や駅における香港への入境者の体温チェックを強化するなど、警戒を強めている。英BBC中国語サイトが伝えた。

 香港で300人近い死者を出した新型肺炎(SARS)の流行から10年。
 香港市民は鳥インフルエンザの感染者が香港にまで拡大することを恐れている。
 上海を訪れた7歳の女児がインフルエンザに似た症状を発症し、香港市内の病院に隔離されたが、その後の検査でウイルスは陰性であったことが分かった。

 5日からは空港だけでなく陸路で香港に入境する旅客にも、抜き打ちで体温チェックを実施。
 また、今週に香港内の生きたニワトリを対象にウイルス検査を実施し、ウイルスが発見された場合は一部もしくはすべての家禽を殺処分。 
 中国本土からの家禽の輸入も停止する。

 蘋果日報の李怡(リー・イー)論説員は、鳥インフルエンザの感染状況に関する政府の発表に対して懐疑的だ。
 「目先の発展にとらわれて環境破壊し続ける中国の状況からみれば、家禽食品や人間が本土から流入するのをいかにして防ぐかが香港にとって大きな問題だ」
と話す。
 星島日報は、鳥インフルエンザが経済の中心地である長江デルタ地域で拡散していることから、経済的なダメージを憂慮する。
 また、明報は社説で
 「10年前にSARSが発生したときと比べて香港の状況は大きく異なっている」
と指摘。
 1万7000人いるといわれている本土からの越境学童の存在と、
 まもなく始まる5月の大型連休に対し香港政府の早急な対応を求めている。



サーチナニュース 2013/04/07(日) 14:46
http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2013&d=0407&f=politics_0407_005.shtml&pt=large

中国の習近平国家主席が鳥インフル対策を指示

 中国で確認されたH7N9型鳥インフルエンザの感染者16人のうち、6人が死亡したことについて、中国の習近平国家主席および李克強首相はこのほど、患者の治療と感染抑制に向けた対策を行うよう指示した。
 中国国際放送局が報じた。

  国家衛生・計画出産委員会は6日、これまでに確認された感染例は上海市(6人、うち4人が死亡)、江蘇省(6人)、安徽省(1人)、浙江省(3人、うち2人が死亡)となったことを発表した。

  H7N9型鳥インフルエンザの感染拡大をうけ、中国各地は対策を強化している。
 上海は6日から生きた家禽類の取引を中止すると同時に、生きた家禽を取引する市場を閉鎖した。
 浙江省は患者の治療に全力を挙げると同時に、感染者と接触した者を監視し、発熱を訴える外来患者の診察を強化している。

  北京市や広東省、雲南省、湖北省、四川省など、感染が見つかっていない地域でも鳥インフルエンザ対策を講じており、
 各地の政府は感染状況に関する状況は隠蔽(いんぺい)しないと発表した。



レコードチャイナ 配信日時:2013年4月8日 20時10分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=71131&type=0

「鳥インフルは米国の攻撃」、中国軍事専門家が“米陰謀論”で波紋―英メディア

 2013年4月7日、英BBC放送(中国語電子版)サイトによると、中国の軍事問題専門家で対外強硬派の戴旭(ダイ・シュー)・国防大学教授(空軍上級大佐)がこのほど、鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)の感染拡大について、簡易投稿サイト・微博(ウェイボー)で「米国による攻撃」を示唆して波紋を呼んでいる。

 戴教授は6日夜、鳥インフルエンザ問題について
 「中国政府は過剰反応すべきではない!
 さもなくば03年の新型肺炎(SARS)のようにだまされる!
 当時M国はイラクを攻撃するため、(イラクを支援する)中国を恐れて生物、心理的武器を使った。
 中国は大混乱に陥り、M国の思うままとなった。
 M国はまた同じことをしようとしている
と書き込んだ。
 「M国」は中国語で米国を意味する「美国(メイグオ)」を指すとみられる。
 また、中国メディアによると、書き込みの末尾には
 「死んだとしても数人だ。
 交通事故による死者の1000分の1にも満たない」
とあったが、その後削除されたという。

 これに対し、インターネット上には賛否両論が拡大。
●.「人民に対して責任を負うべき人間がこんなやつだなんて」
●.「亡くなった人に謝罪すべきではないか。軍にふさわしい人間か」
●.「官僚なんてこんなもの。何万人死んでも大したことはないと思っている」
と批判が噴出する一方、
●.「一理ある」
●.「騒ぎ立てるべきではない」
などの声も上がっている。




レコードチャイナ 配信日時:2013年4月13日 21時12分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=71307&type=0

鳥インフルで高まる中国の情報公開性―米紙

 2013年4月11日、AP通信は
 「鳥インフルエンザで中国の情報公開性が高まっている」
と指摘する記事を配信した。環球時報が伝えた。

 2週間前、上海で新しいタイプの鳥インフルエンザウイルスが見つかった。
 市政府はただちに中国版ツイッター「微博(ミニブログ)」上でリアルタイムの最新情報を発信し続けた。
 これは、中国政府による情報公開が全く新しい次元に高められた事実を物語っている。
 同時に、情報に対するより強いニーズを持ち、ソーシャルメディアを通じて多くの情報を入手するようになった高学歴の裕福な中国国民がますます増えている現状を示している。
 中国政府系メディアにこのほど掲載された
 「情報公開を通じて鳥インフルエンザに対するパニックをなくす」
と題する文章では、政府関連部門は最新情報をリアルタイムに公表すべきだと促している。

 「新型鳥インフルエンザの感染・死亡例が、発生から数週間後にようやく公表されたことについて、政府の情報公開の遅さを疑問視する人もいるが、国際衛生専門家は、「中国政府の対応は妥当」との見方を示した。
 中国政府は
 「研究者がウイルスを識別するのに一定の時間を要した上、正式に発表する前に複数のルートを通じて事実確認するという順番を踏まえる必要があった」
と説明している。

 中国がH7N9型鳥インフルエンザへの感染による初の死者が出たことを発表して以来、政府はずっと、ネット上で次から次へと作り出されるデマと闘い続けてきた。
 また、ミニブログで発信されるコメントへの対応に追われてきた。
 「上海の黄浦江に多数の豚の死骸が漂流してきたことと鳥インフルエンザとの関係性について至急調査してほしい」
という要望に対し、中国農業部(農業省)担当者は
 「豚の死骸に対するサンプリング検査の結果、鳥インフルエンザウイルスは検出されなかった」
と回答した。
 また、
 「感染者に対して政府は医療費の補助金を支給すべき」という意見に対し、衛生機構担当者は
 「決して患者を軽んじるような対応はしない」
と答えた。

 上海市は鳥インフルエンザに対抗するための実際的な措置を講じている。
 マンションの建物内には、住民にウイルスへの警戒を呼び掛けるポスターが掲示された。
 瑞金医院では、鳥インフルエンザ疑似患者に対し、使い捨ての体温計とマスクを使用、病院に入る通路も別に分けた。
 養鳩農家に対しては、鳩を自由に飛ばすことを禁じる通達が出された。
 上海ではすでに鳥類の取り引きが禁止されており、卸売市場ではこれまで活きた鶏を買い求めていた市民が新鮮な野菜を買う姿が見られる。

 最新情報を随時公開し、鳥インフルエンザウイルス遺伝子序列の分析結果やサンプルを世界保健機関(WHO)と共有し、感染者情報を常に更新し続ける中国政府の対応措置について、衛生専門家はこぞって高く評価している。

(提供/人民網日本語版・翻訳/KM・編集/TF)




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