2013年4月19日金曜日

日本とミャンマー、最近関係を親密化しているのはなぜか?

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●18日、ミャンマーのアウンサンスーチー氏の訪日について日本メディアは、ミャンマーの民主化への一層の支持のほか、さらなる投資と経済援助を日本側から取り付ける狙いがあると報じた。写真は今月17日日本記者クラブで記者会見を行ったアウンサンスーチー氏。


レコードチャイナ 配信日時:2013年4月19日 9時58分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=71494&type=0

日本とミャンマー、最近関係を親密化しているのはなぜか?―中国メディア

 2013年4月18日、人民日報海外版の報道によると、ミャンマー最大野党の指導者、アウンサンスーチー氏が今月13日に日本に到着した。
 1週間滞在する。

 今回の訪日について日本メディアは、ミャンマーの民主化への一層の支持のほか、さらなる投資と経済援助を日本側から取り付ける狙いがあると報じた。
 ここしばらく日本とミャンマーの政界、経済界は頻繁に行き来し、親しくしており、両国関係は親密さを増し続けている。

■活発な連携

 今年1月に日本の麻生副総理兼財相がミャンマーを訪問し、同国に対する日本政府の債権の解消を発表した。
 主要閣僚の外国訪問は第2次安倍政権発足後初であり、ミャンマーに対する日本の好意の高まりが見てとれる。

 日本メディアによると日本外務省は3月28日、ミャンマーに510億円の円借款を供与すると発表した。ミャンマーに対する円借款は26年ぶりだ。

 日本がミャンマーに注目し始めたのは実は今年からではない。
 報道によると日本は2012年にはミャンマー駐在員の人数を大幅に増加。
 三菱、住友、丸紅といった日本の大手商社はミャンマー事務所の職員をすでに8~9倍に増やした。
 2012年末に両国が建設協力を決定したティラワ経済特区も、日本・ミャンマー関係の緊密さを象徴している。
 
 両国の連携は経済分野のみにとどまらない。
 2月19日の報道によると、日本財団の笹川陽平会長が「ミャンマー国民和解担当政府代表」に任命された。
 他国の国民和解と民主化のために日本政府が代表を設置するのは初めだ。

■各自必要なものを取る

 日本はなぜミャンマーへの関心を急に高めたのか?
 スーチー氏もなぜ日本の土を踏んだのか?
 両国の接近は、実は
 「各自が必要なものを取っている」
のだとの指摘が上がっている。

 海外投資家の間でミャンマーは東南アジア最後の「フロンティア」と注目されている。
 豊富な石油・天然ガス資源、鉱物資源だけでなく、十分な安い労働力と広大な市場も持つ。
 日本がこの新興市場の分け前にあずかろうとしていることは間違いない。

 経済的利益以外に、ミャンマーの地政学的位置は日本にとって戦略上より重要な意義を持つ。
 ミャンマーの民主化プロセスと経済体制改革に影響を与えようとする日本の最終目的について、ミャンマーの一部の学者は同国を日本の主導する「民主化模範国家」にすることで、東南アジア地域で自らの主導的地位を確立し、政治大国の基礎を固めるためだと分析する。

 日本はミャンマーに対する影響力の拡大を長年望んできた。
 今回のミャンマーとの関係改善は、米国のミャンマーに対する姿勢の転換に鼓舞された面もある。
 日本メディアは、オバマ大統領のミャンマー訪問後、日本は同国に対する支援を強化し続け、事実上米国のアジア戦略を側面から支持する役割を果たしていると分析した。

 一方、ミャンマーにしてみると、日本との結びつきの強化は経済発展と民主化プロセスのプラスとなる。
 現在ミャンマーは民主化改革に尽力し、外交政策では「バランス外交」を推し進めている。
 AP通信は、ミャンマーは経済発展を促進するためにより多元的な投資国を急いで必要としていると分析した。

 日本メディアによると、ミャンマーのテイン・セイン大統領の首席顧問は、日本の中小企業を誘致して経済発展を促したい考えを公に表明した。
 スーチー氏も日本での講演時、在日ミャンマー人に
 「日本で学んだ知識と技能を祖国建設のために発揮する」
よう呼びかけた。

■展望は不透明?

 ミャンマーは今なお国連の認定する「後発開発途上国」の1つであり、1人当たり所得は715ドル(約7万円)に過ぎない。
 先んじてミャンマーを訪れた日本企業はみな電力不足、道路不足、物流の未整備に不満を訴えた。
 地価と賃貸料の暴騰も企業の投資コストをすでに大幅に高め、外国人投資家の自信に深刻な影響を与えている。

 AP通信はミャンマーへの投資リスクは依然高いと指摘した。
 ミャンマーは6000万の人口を擁すが、熟練した労働力は欠いている。
 インフラ不足が深刻で、電気を使うことのできるのは人口の4分の1のみだ。
 理想的な投資先となるには、ミャンマーはまだ長い道のりを歩まねばならない。

 こうして見ると、日本が期待している対ミャンマー投資の経済的見返りは、短期間で得るのは難しいだろう。
 AP通信は
 「最近の日本のミャンマーでの動きは非常に速いものがあるが、スタートがやや遅かったため、中国やインドにはやはり後れをとっている」
と分析した。

 「ミャンマーは対外開放政策によって中国、タイ、インドなど周辺国との経済的結びつきを強めた。
 かつて主要援助国だった日本の地位は多少下がった」
との分析もある。
 これに加え、豊富な石油・天然ガス資源はミャンマーに巨額の外貨をもたらした。
 日本からの経済援助の必要性は、差し迫っていたかつてとは大違いだ。
 このため、経済的利益のためにミャンマーが政治的に日本に従属する可能性は低い。
 各国の間を渡り合って自国の利益の最大化を図ることこそが、ミャンマーにとって最良の選択だ。
(提供/人民網日本語版・翻訳/NA・編集/内山)






【中国はどこへむかうのか】


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