2013年4月4日木曜日

米、北朝鮮と駆け引き激化:グアムに迎撃ミサイル



米が迎撃システムをグアムに 北朝鮮ミサイル対応(13/04/04)


日本経済新聞 2013/4/4 10:23
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM04015_U3A400C1MM0000/?dg=1

 米、北朝鮮と駆け引き激化 グアムに迎撃ミサイル    

 【ワシントン=中山真】米国防総省は3日、北朝鮮の弾道ミサイルの脅威に対処するため、米領グアムに最新鋭の迎撃ミサイルシステムを数週間以内に配備すると発表した。
 グアムへ配備するのは初めて。西太平洋地域の戦略拠点の防衛能力を高め、挑発を続ける北朝鮮をけん制する。
 一方、北朝鮮は核兵器による攻撃の決定を米側に通告すると表明。
 両国の駆け引きが一段と激しくなってきた。

 配備するのは「終末段階高高度地域防衛システム」(THAAD)と呼ばれるシステム。弾道ミサイルが軌道の最高点を過ぎ、着弾する最終段階に入った時点で撃ち落とす。
 日本に配備されている地上配備型のPAC3よりも命中精度が高く、地上への被害が少ないという。

 米国防総省は今回の配備について
 「北朝鮮の弾道ミサイルの脅威に対する地域の防衛能力を高める予防措置」
と説明。
 そのうえで
 「米国は北朝鮮の挑発行為から自国の領土と同盟国、国家の利益を守るために万全を期す」
と強調した。

 米国防総省は今月、北朝鮮が進める核・ミサイル開発を念頭に米本土のミサイル防衛能力を50%増強する方針を発表した。
 欧州のミサイル配備計画を縮小する一方で、アラスカ州に迎撃ミサイル14基を追加で配備する。
 追加配備は2017年度までに完了する。

 米国家安全保障会議(NSC)のヘイデン報道官は3日夜、北朝鮮が核兵器による攻撃の決定を米側に通告すると表明したことを非難する声明を発表した。
 「北朝鮮は挑発的な威嚇をやめ、国際的義務を順守することに集中すべきだ」
と述べ、挑発の即時中止を求めた。
 同時に
 「北朝鮮の挑発は国際社会からのさらなる孤立しか招かず、経済発展という目標を遠のかせる」
と強調した。


 何かアメリカは過剰に反応しているように思う。
 というより、意図的にやっているようである。
 ターゲットはもちろん北朝鮮ではない。
 中国であろう。
 北朝鮮の挑発を真剣に受け止めるという大義名分で、対中国への軍事配備をこれをきっかけにやってしまおうという心づもりであろう。
 客観的にそして常識的に考えて、その線の確率の方がはるかに高い。


朝鮮日報 記事入力 : 2013/04/04 10:05
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/04/04/2013040400804.html

米軍 グアムに迎撃ミサイル導入=北朝鮮挑発に備え

【ワシントン聯合ニュース】米国防総省は3日、北朝鮮の挑発脅威に対応するため、最先端のミサイル防衛(MD)システムをグアム基地に導入すると明らかにした。
 数週間内に高高度防衛ミサイル(THAAD)システムを配備するという。

 THAADシステムは地対空誘導弾パトリオット(PAC3)より高い高度で迎撃が可能で、速度と正確度が高い。
 同省は、トラック搭載発射台、迎撃ミサイル、追跡レーダー、統合射撃統制システムなどを備えており、グアムに居住する米市民と米軍を守る力量を強化するものと説明した。

 一方、ヘーゲル国防長官は同日、ワシントンの国防大学で行った演説で、北朝鮮は既に核とミサイル能力を保有しており、挑発脅威は韓国、日本など米国の同盟国に「実質的な危険」になっていると警戒感を示した。

 また、北朝鮮がグアムやハワイ、米本土へのミサイル攻撃を警告したことに触れ、
 「深刻に受け止め、慎重かつ真摯に対応している」
と話した。

聯合ニュース




AFP BBニュース 2013年04月05日 20:55 発信地:ワシントンD.C./米国
http://www.afpbb.com/article/politics/2937263/10540518

「限界はどこ?」、北朝鮮危機に戸惑う米国

 【4月5日 AFP】米国が警告を強め、北朝鮮が威嚇するという応酬が数週間にわたって続いている。
 米政府の政策ブレーンたちは北朝鮮に断固とした態度で臨みつつも、今回の危機が武力衝突に発展する事態は阻止したいと考えている。
 北朝鮮の仰々しい政府発表は悪名高いが、今回は核攻撃をちらつかせたり、日本海側にミサイルを移動したとみられるなど、日韓米の3か国を戦慄(せんりつ)させている。

■戦争を避けたい米国

 3月11日から韓国と合同年次軍事演習を行っている米国は先週、核爆弾搭載能力のあるステルス戦略爆撃機「B2」の模擬弾投下演習を行ったことを発表するという異例の対応に出た。 
米国が相次いで軍事力を誇示する背景には、誕生したばかりの韓国の朴政権に米韓同盟を改めて保証する意図がある。

 ただ、ある米高官は、北朝鮮に圧力をかけるためにこうした軍事力の誇示が必要だったが、同時に米国は現在の危機的状況からは後退し、「武力衝突」という誤算が生じる可能性を最小限にしたいのだと説明する。
 「少なくとも現時点では、戦争の瀬戸際にあると考えるべきではない。
 戦争を避けるため、あらゆる努力をしなければならない」

 米国防総省は3日、米領グアム(Guam)島にミサイル迎撃のための終末高高度防衛(Terminal High Altitude Area Defense、THAAD)システムの配備を急ぐと発表したが、これは防衛措置だと説明している。

 米国務省のビクトリア・ヌーランド(Victoria Nuland)報道官も、米政府の考えに変更はないと強調する一方、状況が「今以上に激化する必要はなく」、北朝鮮の態度が変われば米国にも「違う道」を取る余地があると語った。

■打てる手は全て打った米国、後は北朝鮮の対応次第?

 懸念を煽っているのは、北朝鮮3代目の最高指導者、金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)第1書記について、米国がほぼ何も知らないという点だ。

 米シンクタンク「外交問題評議会(Council on Foreign Relations)」のスコット・スナイダー(Scott Snyder)上級研究員は、2月に3度目の核実験を挑発的に行った北朝鮮に対し、米国は既に十分に手を尽くし、明確なメッセージを伝えたはずだと述べる。
 しかし、北朝鮮側が自らの「脚本」の完遂にこだわっているとみられる状況下では、事態の沈静化を図る動機が米国にはなかったと説明する。

 「北朝鮮は米国のメッセージを理解していると思う。
 現時点における問題は、北朝鮮が既に定めた行動方針の上にあることだ」(スナイダー氏)

 米シンクタンク「戦略国際問題研究所(Center for Strategic and International Studies、CSIS)」のボニー・グレイザー(Bonnie Glaser)氏も、米国には米韓合同軍事演習を公開する余裕はあったものの、北朝鮮に対しては
 「対話の窓は開かれている」
と言い続けること以外できなかったと指摘する。
 「米国としては、威嚇をしてきた北朝鮮に利益になることはしたくない。
 北朝鮮が緊張緩和に向けて動かない限り、何か新しいものを提示するべきではないと思う」(グレイザー氏)

 一方、2月に米国務次官補(東アジア・太平洋担当)を辞任したカート・キャンベル(Kurt Campbell)氏は、オバマ政権は北朝鮮に対し意図的に「二重のメッセージ」を送ったのだと言う。
 オバマ政権は北朝鮮に警告を発すると同時に、北朝鮮による具体的な軍備増強は見受けられないと発表した。
 これについてキャンベル氏は、次のように述べている。
 「効果的に対処できる限界を超えて事態がエスカレートしないようにする意味があるのだろう。
 ここ(朝鮮半島)は世界で最も危険な地域の1つで、一触即発の重武装(地域)だ。
 したがって非常に慎重な対応が必要だ」

(c)AFP/Shaun Tandon





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